CATEGORY☆伯楽星(はくらくせい)・あたごのまつ

蔵も人も日々進化
伯楽の目で醸す
究極の食中酒

大崎市三本木で約140年間酒を醸し続けてきた新澤醸造店は、東日本大震災で蔵が全壊、壊滅的な打撃を受けた。
しかし、社長(当時は杜氏も兼務)の新澤巖夫さんの動きは速かった。平成23年(2011)7月、製造部門の移転を決意し、同年11月には山形県との県境に位置する川崎町で酒造りを再開した。新澤社長は「いくつかの選択肢があったなかで、一番パワーがいる決断をした気がします。非常に緊張したし、覚悟もしました」と移転を決断した当時の心境を語ってくれた。

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「究極の食中酒」を、世界へ

移転後の「川崎蔵」は、蔵王連峰の豊かな自然とふんだんな伏流水の恩恵をうけ、酒造りには最適な環境下にある。設備も充実させ、日々より品質の高い日本酒づくりを目指している。

国内外で開催されたコンテストにおいて、もっとも評価された酒蔵を認定する「世界酒蔵ランキング」では、2022と2023、2年連続で第1位を受賞した。
このことは、新澤醸造店が海外でも広く認知される機会となっただろう。

また、同社の特徴は、年齢や経歴にとらわれない酒造りを行っていることだ。  
「たとえば杜氏の立場は通常経験を重ねたベテランに委ねることが多いのですが、新澤醸造店では入社3年目の22歳で若き女性杜氏が就任いたしました(当時全国最年少女性杜氏)。また海外からも就業者がおり、蔵人の一員として日々励んでおります。さまざまな経歴を持つ者が集まって知恵を出し合い、よりよい日本酒を醸しております。」と新澤社長は語る。

震災を機に川崎町の新たな環境に移転した新澤醸造店。
今後も、技術も品質も妥協せず、「究極の食中酒」の名に恥じぬ日本酒を醸してくれるだろう。


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